寺よが

Wake UP!!

今だ、目覚めろ!!

仏教

空とはマトリックスだ

    空の説明でよくあるのが
    「あるようでない、ないようである」
    という説明があります。

    最初これを聞いて全く理解できませんでした。
    「あるようでない、ないようである」って「結局それって何よ?」

    となっていましたが、最近「マトリックスレザリクションズ」の映画を観て、空の意味が理解できた気がしました。

    マトリックとは日本語で「虚構」と訳されます。
    「虚」とは「うつろ」と読むことができます。
    「構」は「かこい(囲い)」という意味があり、
    「うつろな囲い」として
    これらの二つの字の意味をなすことができます。

    じゃあ「うつろな囲い」とは何を意味するのでしょうか?

    「マトリックスレザリクションズ」では今までの「マトリックス」とはだいぶ異なったテイストで描かれていました。
    賛否両論あったそうです。「これはマトリックスではない」という意見が飛び交いました。
    しかし、私はこの映画が監督の一番伝えたいことのような気がしました。

    話が少し逸れますが、「マトリックス」には色々な見方をする人がいます。
    「マトリックス」はアクション映画である。
    「マトリックス」はSF映画である。
    「マトリックス」は哲学の映画である。
    「マトリックス」は悟りの映画である。

    色々な見方ができる映画で、どれもその側面を切り取っても間違ってない解釈です。

    しかし、今回の「マトリックスレザリクションズ」はそのどれにも当てはまるものではなかった気がします。
    アクション映画かというと前作ほどこだわってなく、
    SF映画かというと前作ほどの驚きはなく、
    哲学の映画かというと前作ほどの深みはなく、
    悟りの映画かと言われると前作ほどの真実味をおびた発言はない。

    どれも前作を凌駕するほどのものではなかったのです。

    上の価値観で今作の「マトリックス」を観ると必ずと言っていいほど
    「前作よりつまらないな」となります。

    しかし、たった一つだけ前作よりも深みを増した要素がありました。

    それが「愛の力」です。
    前作でもネオがスミスに銃で撃たれた時にトリニティーがネオに口づけをすることで覚醒し、スミスと同化してエージェントを倒しましたが、今作では逆にトリニティーがネオの愛の力によって目覚めて、空を飛ぶまでの覚醒をして、敵のボスを倒します。

    この「愛の力」が前作よりも色濃く反映されているのが今作の「マトリックスレザリクションズ」です。

    じゃあこの「愛の力」ってなんでしょう?

    私はここにこそ「空」の答えが隠されている気がしました。

    話を戻しますが、「空」とは「うつろな囲い」です。
    「うつろ」ということは「ない」という意味ではありません。
    「うつろ」とは「あるけどみえない」が一歩近づいた答えです。
    つまり「あるけどみえない囲い」が「空」なんです。

    「あるけどみえない囲い」って何だろうと考えた時
    ある例えがでてきました。

    自然豊かな場所に家を建てたいと考えている人がいたとします。
    まずその人は自然豊かな場所を求めて色々な所へ行きます。
    そこでやっと自分が望む場所が見つかりました。
    そしてそこに家を建てて、家族と一緒に住み始めます。
    しかしその周りには誰も住んでいないので少し不安な気持ちなります。
    そこでその人はこの場所に友達を呼んで、この場所を勧めます。
    するとその場所を気に入った友達はそこに家を建てて住み始めます。
    家を建てる人がどんどん増えて、一つの村となりました。
    その人はこれで不安になることはないと安心します。

    何の例え話だろうかと思う方もいるかもしれません。
    これは何もなかった場所に何かが出来上がってくるストーリー。
    つまり、「0」から「1」が生まれる瞬間を描いたストーリーです。

    なぜこの話をしたかというと、「あるけどみえない囲い」とは
    「“何もなかった場所”に“何かがより集まって”、“何かが生まれる”」ことを意味するのではないかと思ったからです。

    “何もなかった森”に“人がより集まって”、“一つのコミュニティとなる”

    そこには何か明確な境界線は何もなかったはずなのに自然とコミュニティが出来上がってしまったのです。

    まるで「みえない何かに引き寄せられたかのように」そこにより集まるのです。

    厳密にはある人が自然豊かな場所に家を建てたいと望んだことから始まりました。
    しかし、そうさせるきっかけは誰が作ったのでしょう?

    その人は何かを見て「こんな場所に家を建てたい」と思ったのです。
    深堀りしていくこの人は「家を建てたい」という動機を作る条件がたくさんあったのです。
    性格も大きく起因してきます。自然を好む性格をしていたからかもしれません。あるいは両親に自然豊かな場所に連れてってもらってそれが大人になっても鮮明にイメージされるからかもしれません。

    何を言いたいかというと、その人はその場所に行くべき行動を自然と取っていたのです。

    他の友達もその人の性格に惹かれて友達になりますので、自ずとその友達もその人の行動には共感するものがあったから、その友達もそこに住み始めたのです。

    「似た者同士は互いに惹かれ合う」と言いますがまさに惹かれ合いながらどんどん引き寄せあって出来上がっていったのが、この話のコミュニティなんです。

    つまり「うつろな囲い」とは「惹かれ合う力」なんです。

    「マトリックスレザリクションズ」でトリニティーが覚醒したのはネオに惹かれ会ったから覚醒したんです。
    ネオと出会わなければ、トリニティーは覚醒することはありません。

    この場合、愛の力という「惹かれ合う力」によってトリニティーの覚醒が促されました。

    マトリックスの監督は「惹かれ合う力」こそが「マトリックス」であり、「愛の力」だということを伝えたかったんだと思います。

    そして私はその「マトリックス」こそ「空」なのだと理解しました。

    そう考えるといろんなものに納得がいってとてもスッキリします。